カカオ組成物
专利摘要:
カカオ由来原料及びカカオ由来飲料を提供する。可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物を含むカカオ由来原料である。前記抽出物は、抽出物の重量の25%のポリフェノール含有量である。カカオ由来原料は飲料やパウダー組成物を用意するためのシロップとすることができる。本発明はカカオを含む炭酸飲料を調製するためのカカオ由来原料の使用、及び、カカオ由来原料及び飲料の調製方法にも関する。 公开号:JP2011515096A 申请号:JP2011501243 申请日:2009-03-27 公开日:2011-05-19 发明作者:クレーク,;ディルク デ;ハーウィグ バーナート,;イエム ブロンディール, 申请人:バリー カレボー アーゲー; IPC主号:A23G1-00
专利说明:
[0001] この特許出願は、「カカオパウダーから可溶性カカオ生産物を生産する方法」と名付けられた2007年11月19日に提出された国際特許出願PCT/EP2007/062486(WO2008・059064)の一部継続出願(CIP)であり、全ての目的のためにその全体が参照されることによって明示的に明細書の一部を構成する。 この出願はさらに、2008年3月28日に提出され、「カカオ組成物」と名付けられたPCT/EP2008/053740の優先日の利益を要求し、その全体が参照されることによって明細書の一部を構成する。] [0002] 本発明は可溶性カカオパウダー及び、カカオポリフェノール含有量が増大されたカカオ抽出物を含むカカオ由来原料に関する。本発明はさらに、カカオを含む飲料(beverage又は drink)、好ましくは炭酸飲料を調製するための、このようなカカオ由来原料の使用方法に関する。本方法はさらに本明細書において定義されたカカオ由来原料及び飲料の調製方法を開示する。] 背景技術 [0003] カカオパウダーは、本分野において、カカオバターの抽出後、乾燥され粉にされたカカオニブから生産される生産物であることが知られている。カカオパウダーの調製の出発原料は、発酵され、乾燥され、焙煎され、粉砕されたカカオ豆である。カカオニブ(カカオ豆の中心)は粉砕されてカカオリカーとして知られる暗褐色のペーストとなる。このペーストは、ほとんどのカカオバターを除去することで圧縮され、カカオケーキとなる。硬いカカオケーキは砕かれてカカオパウダーとなる。先に除去されたカカオバターの量に依存して、カカオパウダーの脂肪量が調節される。] [0004] ベイクド製品、飲料、菓子のようなチョコレート風味の食品生産物はその調理過程でカカオパウダーを使用する。1つの主要な使用方法は、例えば飲料での使用であり、飲料は飲用チョコレート、チョコレート風味のミルク、自動販売機や他の供給源からのインスタント飲料を含む。本出願では、カカオパウダーは、ミルクや水のような冷たい水性溶媒と混合されたときにすぐに分散することが理想的である。] 発明が解決しようとする課題 [0005] しかしながら,カカオパウダーは簡単には湿らず、分散を妨げ、その結果、塊となりうる。そのため、飲料を調製するためにミルクや水にカカオパウダーを分散させた場合、得られた飲料の物理的性質がしばしば消費者の評価を下回る。] [0006] もし、残留カカオバターのような脂肪がカカオパウダーに含まれる場合や、冷たい液体中で分散させる場合には、難易度が悪化する。] [0007] 他の課題は、現在入手可能なカカオパウダーは、水やミルクのような液体に溶解させたときに、感覚刺激特性、特に色、味、栄養価を満たす飲料をもたらさないことである。他の課題は、おいしい飲料を得るために大量のカカオパウダーを使用する必要があることである。] [0008] 本発明は上記課題の少なくともいくつかを解決すること、及び、感覚刺激特性及び栄養価を満足し、調製が比較的容易なカカオ由来原料及びカカオ由来飲料を提供することを目的とする。] 課題を解決するための手段 [0009] 本発明は、カカオ由来原料、及び、飲料、及び、その調製方法に関する。本発明は、比較的高濃度のカカオポリフェノールを含有するカカオ抽出物と併用されるカカオパウダー、好ましくは高溶解度のカカオパウダーを含む、カカオ由来原料及び飲料を提供する。本発明はチョコレート風味が増大しポリフェノール濃度が増大されたカカオ由来原料及び飲料を提供する。] [0010] 出願人は、可溶性カカオパウダーとカカオ抽出物の混合物が安定した組成物を提供することを示す。その組成物は、飲料の感覚刺激特性、特に味や色の特性を調整するのに使用できる。飲料の感覚刺激特性、特に味や色の特性は、可溶性カカオパウダーのみ、あるいはカカオ抽出物のみを含む飲料と比較して有意に改善される。] [0011] 加えて、出願人は、高ポリフェノール含有のカカオ抽出物の本発明の飲料への添加は飲料の風味を改善し、抗酸化物質の量を増加させ、改善され健康的な飲料を提供することを示す。本明細書において定義されたカカオ由来原料を用いて調製される飲料は改善された健康特性を提供する。] [0012] さらにポリフェノール抽出物の添加はカカオパウダーの溶解度に影響せず、最適な物理的性質を有する飲料をもたらす。本発明にしたがって、所定の相対量で原料を混合することにより、最終生産物において保存される、多量のカカオポリフェノール含有量の生産物が得られる。] [0013] したがって、本発明は、第1の側面において、可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物を含むカカオ由来原料に関し、前記抽出物はポリフェノール抽出物に基づく25重量%を含有する。] [0014] 特定の実施態様において、本発明は、可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物を含むカカオ由来原料であって、前記カカオ抽出物はポリフェノールを抽出物に基づく重量の25%よりも多く含み、前記可溶性カカオパウダーが水性溶媒に対し温度20℃において少なくとも70%の溶解度を持つものに関する。好ましくは、前記カカオ由来原料は、温度20℃における水性溶媒への溶解度が少なくとも90%である可溶性カカオパウダーを含む。] [0015] ある実施態様において、前記カカオ由来原料は液体原料であり、好ましくはシロップである。他の実施態様において、前記カカオ由来原料は乾燥した形状であり、パウダー組成物からなる。] [0016] 一実施態様において、カカオ由来原料が提供される。前記カカオ抽出物は25〜75重量%のポリフェノールを含有し、前記ポリフェノールは5〜15重量%の単量体のカカオ抽出物、及び、20重量%よりも多くの1以上のオリゴマーのカカオ抽出物を含有する。 前記単量体は5〜15重量%のエピカテキン抽出物及び0.5〜5重量%のカテキン抽出物を含んでもよい。 前記オリゴマーは、5〜15重量%の二量体、5〜15重量%の三量体、2.5〜10重量%の四量体、2.5〜10重量%の五量体、2.5〜10重量%の六量体、0.5〜5重量%の七量体、0.5〜5重量%の八量体、0.5〜5重量%の九量体、及び/または01〜3重量%の十量体(抽出物に対する重量%)を含んでもよい。 好ましくは、前記抽出物は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満のキサンチンを含む。 他の望ましい実施態様において、前記抽出物は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満のテオブロミンを含む。] [0017] 他の実施態様において、前記可溶性カカオパウダーのテオブロミン含有量がパウダーの無脂肪乾燥重量の5%未満であるカカオ由来原料が提供される。 他の実施態様において、前記可溶性カカオパウダーのカフェイン含有量がパウダーの無脂肪乾燥重量の1%未満であるカカオ由来原料が提供される。 他の実施態様において、前記可溶性カカオパウダーのポリフェノール含有量がパウダーの無脂肪乾燥重量の1〜24%であるカカオ由来原料が提供される。 他の実施態様において、前記可溶性カカオパウダーのグルコース、グルコースオリゴマー及び/またはデキストリン含有量がパウダーの無脂肪乾燥重量の10〜60%であるカカオ由来原料が提供される。] [0018] 第2の側面において、本発明は、カカオ由来原料の調製方法に関する。 ある実施態様において、本方法は、シロップ形状のカカオ由来原料の調製方法を含む。 他の実施態様において、本方法は、乾燥した形状のカカオ由来原料の調製方法を含む。] [0019] 第3の側面において、本発明は、0.01〜30重量%のカカオ由来原料、例えば5〜30重量%または10〜30重量%のカカオ由来原料と、好ましくは水、より好ましくは炭酸水である、70〜99.99 重量%の液体、例えば70〜99.5重量%または70〜90重量%の液体とを含み、前記カカオ由来原料は、可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物を含み、前記カカオ抽出物は、ポリフェノール抽出物に基づく25重量%よりも多く含む、カカオ由来の炭酸飲料(beverage 又は drink)に関する。] [0020] 望ましい実施態様において、前記カカオ由来の飲料は、本出願に定義されたものと同様である。特定の実施態様において、本発明は、0.01〜30重量%のカカオ由来原料、及び、好ましくは水、最も好ましくは炭酸水である、70〜99.99重量%の液体を含み、前記カカオ由来原料は可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物を含み、前記可溶性カカオパウダーは温度20℃において水性溶媒に対する溶解度が少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%であり;前記カカオ抽出物はポリフェノール抽出物に基づく25重量%よりも多く含む、飲料に関する。] [0021] 他の特定の実施態様において、本発明にかかる飲料は、適量の炭酸水及び/または炭酸ガスを含んで提供される。 第4の側面において、本発明は、本明細書において定義されたカカオ由来原料を含む飲料(beverage 又は drink)の調製方法に関する。] [0022] さらに他の側面において、本発明は、飲料の調製のための、本明細書において定義されたカカオ由来原料の使用に関する。 特定の実施態様において、本発明は、適量の炭酸水及び/または炭酸ガスを含む炭酸飲料の調製のための、本明細書において定義されたカカオ由来原料の使用に関する。] [0023] 本発明にしたがってカカオ抽出物と可溶性カカオ生産物とを組み合わせることにより、飲料の調製に特に適したカカオ由来組成物が得られる。混合物のどちらの成分も質、栄養及び感覚刺激特性を向上させる。感覚刺激特性は、例えば、生産される飲料の、強化された味及び/または香りの安定性、強化した消化率、改善された栄養価である。 本発明にかかる飲料は、味覚識者により試験されることが有意に望ましい。] [0024] 加えて、本発明にかかるカカオ由来組成物におけるカカオ抽出物と可溶性カカオ生産物との混合物は、飲料の沈殿を有意に防ぐことが立証された。本発明にかかるカカオ由来原料を含む飲料は、数週間から数ヵ月、冷蔵保存あるいは環境温度で貯蔵されても、実質的に水晶のように透明なままであり、沈殿が生じない。特にカカオパウダーを含む飲料は沈殿の課題に悩まされることが従来技術において知られているため、これは予期されないことである。] [0025] それにしたがって、カカオ由来原料における、本明細書において定義されたカカオ抽出物と可溶性カカオパウダーを組み合わせることにより、品質保持期間が長く、実体的に沈殿が生じることがなく比較的長期間貯蔵できる原料が得られる。] [0026] さらに、本明細書で開示されるカカオ由来原料及び本明細書で調製される飲料は、例えば優れた酸化力を持つために、健康の利点を提供する。 本発明は、酸化、またはフリーラジカルにより引き起こされる細胞ダメージを防ぐ可能性を有する抗酸化物質が豊富な食品生産物を提供する。 さらに、本明細書で開示されるカカオ由来原料または飲料は、フラボノール含有量が改善されている。そのため本発明は、健康潜在力、例えば心臓の健康や気分の向上のための、フラボノールが豊富な食品生産物を提供する。] [0027] また、本発明にかかる炭酸飲料は、保存期間及び味を改善する利点を有する。さらに、本発明にかかる炭酸飲料は、改善された安定性、例えば微生物の混入の影響を受けにくいといった利点を有する。] [0028] 本発明の特徴をよりよく説明する見識により、いくつかの望ましい実施態様及び例が本明細書に図面とともに示される。] 図面の簡単な説明 [0029] 本発明にかかるカカオ由来原料及び飲料に適用される可溶性カカオ生産物の調製方法を示すフローチャートである。] 実施例 [0030] 他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語・科学用語は当業者によって共通に理解されているのと同様の意味を持つ。引用されている全ての刊行物は参照することによりその場所へ組み込まれる。本明細書で引用されている全ての米国特許及び米国特許出願は図面を含む全てが参照することにより組み込まれる。] [0031] 冠詞「a」及び「an」は本明細書において、1または1以上、すなわち、少なくとも1つの、冠詞の文法的な目的語について言及する。たとえば、「サンプル」は1つのサンプルまたは1よりも多いサンプルを意味する。] [0032] この出願を通して、「約」はその値を決定するのに採用された装置または方法による誤差の標準偏差を含む値を示すのに用いられる。] [0033] 終点による数値範囲の記述は、全ての整数値、及び、適切であれば、その範囲に含まれる端数を含む(例えば、いくつかのサンプルに言及する場合、「1から5」は、1、2、3、4を含み、また、例えば温度に言及する場合、1.5、2、2.75及び3.80をも含み得る)。終点の記述はその終点の値自身をも含む(例えば、「1.0から5.0」は1.0及び5.0の両方を含む)。] [0034] 含有量について%が使用される場合、他の示唆がない限り、重量比(w/w)を示す。] [0035] 本明細書で使用される「カカオ由来」の原料または飲料の用語は、カカオ豆から得られた成分を含む原料または飲料を意図する。本明細書で使用される「カカオ(cocoa)」及び「カカオ(cacao)」の用語は同義語である。] [0036] [1.カカオ由来原料] 第1の側面において、本発明はカカオ由来原料に関する。カカオ由来原料は、溶液またはシロップのような、液体の形状や、例えばフリーズドライしたパウダー状のような、固体の形状であってもよい。] [0037] 「カカオ由来原料」または「カカオ由来組成物」の用語は本明細書では類義語として使用され、例えば液体またはその代替品によりさらに希釈することが好まれる、濃縮された形状の原料または組成物について言及することを意図する。] [0038] 本発明にかかるカカオ由来原料は、可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物を含み、前記抽出物は、ポリフェノール抽出物に基づく25重量%よりも多く含む。ポリフェノールは植物原料由来の生理活性物質であり、これらの植物原料に由来する生産物の感覚特性や栄養の質と密接に関連している。本明細書で使用される「カカオポリフェノール」の用語は、カカオ豆やその派生物から抽出される、プロアントシアニジン、特にプロシアニジンを含む、ポリフェノールの生産物を含むことを意図する。] [0039] 望ましい実施態様において、本発明にかかるカカオ由来原料における、可溶性カカオパウダーのカカオ抽出物に対する重量比は、3:1〜1:3であり、好ましくは2:1〜1:2であり、より好ましくは1である。] [0040] 他の望ましい実施態様において、本発明にかかる前記カカオ由来原料は、糖、甘味料、カフェイン、ビタミン、香料及び着色料を含む群から選択される1以上の添加物をさらに含む。本発明にかかる原料に、ガラナ、タウリン、及び技術的に利用できる他の化合物を含む、他の添加物がさらに加えられてもよいが、これに限られない。ここで、これらの添加物はカカオ豆由来またはカカオ豆から得られた原料ではなく、本発明にかかるカカオ由来原料に添加される原料を示す。] [0041] 本発明にかかるカカオ由来原料に添加される糖はスクロース、デキストロース、マルトース、フルクトース、ラクトース、ブラウンシュガー及び転化糖及び技術的に利用できる他の化合物の単独あるいは混合したものを含むが、これに限られない。] [0042] 本発明にかかるカカオ由来原料に添加されるものとして選択され得る栄養食品、あるいは糖質の甘味料は、例えば、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ステビオシド及び他の技術的に利用できる化合物を含み、好ましくはスクラロースを含むが、これに限られない。飲料は、例えばスクロース、デキストロース、フルクトース、液状のフルクトース、ラクトース、マルトース、グルコース、トレハロース、オリゴフルクトース、イヌリン、アガベシロップ、コーンシロップ、転化糖、蜂蜜、ケーンシロップ、メイプルシュガー、ブラウンシュガー、糖蜜及び他の技術的に利用できる化合物を、単独でまたはあらゆる組み合わせで含む。さらに、本発明において、低カロリーまたは低糖質の生産物あるいはシュガーフリーの生産物を生産するために、栄養価のある甘味料の全てまたは一部を、人工の、あるいは栄養価のない甘味料で置換して使用してもよい。甘味料の例はアセスルファムリン酸(Ace-K)、スクラロース、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、イソマルツロース、水素添加された粉末状グルコースのシロップ、アスパルテーム、ネオターム(neotame)、チクロ(cyclamate)、サッカリン、グリクリジン(glycyrrhizine)、ジヒドロカルコン(dihydrochalcones)、ステビオシド、タウマチン、モネリン、ネオヘスペリジン(neohesperidine)、他の多価アルコール化合物、配糖体や特にステビオシドやレバウディオシド(rebaudioside)Aのような他の利用できる自然の植物の生産物、技術的に利用できる他の化合物及びこれらの甘味料の2つ以上の混合物を含むが、これに限られない。望ましい多価アルコールまたは糖アルコールはキシリトールであるが、例えば、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、及びマルチトールから単独であるいは様々な混合物を選択することができる。 技術的に利用できることが知られている糖の代替品もまた、単独であるいは様々な混合物として使用することができる。] [0043] 本発明にかかるカカオ由来原料に使用されるビタミンは、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEや他の技術的に利用できる化合物を含むが、この例に限られない。] [0044] 本発明にかかる原料に使用される香料は、例えばバニリン、クマリン、及び技術的に利用できる他の化合物のような、知られているあるいは利用できる香料及び飲料香料を含むが、この例に限られない。] [0045] 本発明にかかる原料に使用される着色料は、例えばベータカロテン、アナトー、例えばナトリウムまたはカルシウムのプロピオン酸塩、亜硫酸アンモニアカラメル、E150dのような保存料、技術的に利用できる他の化合物、またはこれらの混合物を含むが、この例に限られない。] [0046] [シロップ] 第1の実施態様において、前記カカオ由来原料は液体形状である。一実施態様において、前記カカオ由来原料はシロップである。] [0047] 一実施態様において、本発明にかかるシロップは、最大25重量%の本明細書で定義される可溶性カカオパウダーを含むとともに、最大25重量%の本明細書で定義されるカカオ抽出物を含む。望ましい実施態様において、前記シロップは、0.25〜5重量%の本明細書で定義される可溶性カカオパウダーと、0.25〜5重量%の本明細書で定義されるカカオ抽出物を含む。好ましくは、前記シロップは、0.5〜3重量%、より好ましくは0.75〜1.75重量%の前記可溶性カカオパウダーを含み、0.5〜3重量%、より好ましくは0.75〜1.75重量%の含有量の前記カカオ抽出物を含む。] [0048] 一実施態様において、前記シロップは0.05〜1.5重量%のポリフェノール、好ましくは、0.2〜0.7重量%のポリフェノールを含有する。 他の実施態様において、本発明にかかるシロップにおける、可溶性カカオパウダーのカカオ抽出物に対する重量比は、3:1〜1:3であり、例えば2:1〜1:2であり、あるいは1に等しい。] [0049] 他の望ましい実施態様において、前記シロップは、水、ミルク、アルコールといった、水が主成分の、または水性溶媒を含むが、これに限られない。その量は前記シロップの80重量%未満、好ましくは50重量%未満である。 一実施態様において、前記シロップは水、好ましくは炭酸水のような液体を含む。その量は前記シロップの80重量%未満であり、好ましくは前記シロップの50重量%未満であり、例えば前記シロップの45、40、35、33、30、28、26、25、24、23、22、21、20、または18重量%未満の含有量である。] [0050] 他の望ましい実施態様において、本発明にかかる前記シロップは、さらに、糖、甘味料、カフェイン、ビタミン、香料及び着色料を含む群より選択される1以上の添加物を含む。] [0051] 望ましい実施態様において、前記添加された成分は、糖及び/または甘味料である。好ましくは、本発明は、前記添加された成分が糖であり、前記シロップの80%未満、例えば70、60、50、40、35、30、25、20、15、10重量%未満であるカカオ由来原料を提供する。糖と代替的に、または糖との組み合わせで、本発明は、前記添加された成分が、前記シロップの80重量%未満、例えば70、60、50、40、35、30、25、20、15、10、1、0.1、0.01重量%未満の含有量の甘味料であるカカオ由来原料を提供する。カカオ由来原料に添加される甘味料の量は、使用される甘味料の甘さに大きく依存する。この要因は当業者に知られている。] [0052] 他の望ましい実施態様において、前記添加された成分はカフェインであり、その量は好ましくは前記シロップの0.005〜7重量%、好ましくは前記シロップの0.005〜0.7重量%、より好ましくは前記シロップの0.01〜0.1重量%の含有量である。] [0053] さらなる実施態様において、本発明にかかるシロップ形状のカカオ由来原料は以下の特徴を有する。本発明にかかるシロップのpHは5未満であり、好ましくは4未満であり、最も好ましくはpH3.0〜3.5である。本カカオ由来原料のpHは有機酸を用いて調整することができる。有機酸の例は、H2CO3、H3PO4、技術的に利用できる他の化合物及びこれらの混合物を含むがこれらに限られない。シロップの低いpHは、長い貯蔵期間と長い寿命に貢献する、微生物学的に安定した環境を提供する。] [0054] 加えて、本発明にかかるシロップは、1グラムのシロップ当たり10〜500μmolトロロックス当量(TE)、好ましくは50〜250μmolTE/g、より好ましくは70〜150μmolTE/gの酸素ラジカル吸収能(ORAC)値を持つ。 ORAC値は組成物の抗酸化物質容量の測定に用いられ、より高いORAC値には健康に有益な効果があることが技術的に知られている。] [0055] ORAC値の計測技術は当業者によく知られており、したがって本明細書では詳細に説明しない。] [0056] [パウダー組成物] 第二の実施態様において、カカオ由来原料は、前記原料が乾燥した、あるいは凍結乾燥した形状であり、好ましくは、顆粒、ペレット、またはパウダー形状で提供される。一実施態様において、前記カカオ由来原料は乾燥した形状で提供され、パウダー組成物からなる。 本明細書で使用される「パウダー組成物」や「カカオパウダー組成物」の用語は、カカオ豆から得られた物質または原料を含む、例えば、顆粒形状、ペレット形状、あるいはパウダー形状等の、パウダー状の生産物を含む。] [0057] 望ましい実施態様において、前記パウダー組成物は、本明細書において定義された可溶性カカオパウダーを0.01〜75重量%、及び本明細書において定義されたカカオ抽出物を0.01〜75重量%、含む。好ましくは、前記パウダー組成物は、0.1〜50重量%の前記可溶性カカオパウダー、及び、0.5〜30重量%、より好ましくは0.75〜10重量%の前記カカオ抽出物を含む。] [0058] 他の実施態様において、本発明にかかるパウダー組成物における、可溶性カカオパウダーとカカオ抽出物との重量比は、3:1〜1:3であり、例えば2:1〜1:2であり、あるいは1である。] [0059] 好ましくは、前記パウダー組成物は、溶媒、好ましくは極性溶媒、好ましくは水が主成分の溶媒に対してある程度の溶解度を有し、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも90%、最適には95〜100%あるいは98〜100%の溶解度を有する。とりわけ、本パウダー組成物は、温度20℃において、極性溶媒、例えば、水、ミルク、アルコール、またはこれらの混合物のような水性溶媒に対して、50%以上、または70%以上、あるいは90%以上の溶解度を有する。] [0060] 他の望ましい実施態様において、本発明にかかる前記パウダー組成物は、糖、甘味料、カフェイン、ビタミン、香料及び着色料を含む群より選択される1以上の添加物をさらに含む。] [0061] 望ましい実施態様において、前記添加された成分は、糖及び/または甘味料である。好ましくは、本発明は、前記添加された成分が、前記パウダー組成物の80重量%未満、例えば70、60、50、40、35、30、25、20、15、10重量%未満の含有量の糖であるパウダー組成物を提供する。糖と代替的に、または、糖と組み合わせて、本発明は、前記添加された成分が、前記パウダー組成物の80重量%未満、例えば70、60、50、40、35、30、25、20、15、10、1、0.1、0.01重量%未満の含有量の甘味料であるカカオ由来原料を提供する。他の望ましい実施態様において、前記添加された成分はカフェインであり、好ましくは前記パウダー組成物の0.005〜0.7重量%の含有量で提供される。] [0062] 加えて、本発明にかかるパウダー組成物は、パウダー1gあたりORAC値が10〜10000μmolTEであり、例えばパウダー1gあたり15〜8000、30〜5000、50〜3000、100〜500、あるいは150〜300μmolTEである。] [0063] 他の実施態様において、例えば甘味料を使う場合、本発明にかかるパウダー組成物は、ORAC値がパウダー1gあたり10〜10000μmolTEであり、例えばパウダー1gあたり100〜8000、500〜6000、1000〜5000、2000〜4000、あるいは2500〜3500μmolTEである。] [0064] さらなる実施態様において、本発明にかかるパウダー組成物は、当業者に知られた方法を使用して、凝集させることができる。本発明にかかるパウダー組成物を凝集させることで、パウダーの瞬時の溶解度が改善される。] [0065] 本発明にかかるカカオ由来原料に適用される可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物は、以下により詳細に特徴付けられる。] [0066] [可溶性カカオパウダー] 可溶性カカオパウダーは、本発明のカカオ由来原料に適用される。 この文脈における「可溶性」の用語は、適した液体、例えば、ミルク、水、アルコールまたはこれらの混合物のような、水が主成分の溶媒、または水性溶媒といった極性溶媒への少なくとも一部が溶解するカカオパウダーについて言及する。好ましくは、本可溶性カカオパウダーは、溶媒、好ましくは極性溶媒、好ましくは水が主成分の溶媒に対してある程度の溶解度を有し、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも90%、最適には95〜100%または98〜100%の溶解度を有する。とりわけ、本明細書において定義された本カカオ由来組成物に適用される可溶性カカオパウダーは、温度20℃において、極性溶媒、例えば、水、ミルク、アルコール、水を含むアルコール飲料等といった水性溶媒に対して、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも90%、及び、例えば95〜100%または98〜100%の溶解度を有する。好ましくは、本カカオ由来原料に適用される可溶性カカオパウダーは、少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.5%、または100%の溶解度を有する。本発明は、不溶性原料の含有量が50重量%未満であり、好ましくは40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2、1、あるいは0.5重量%未満である、可溶性カカオパウダーを提供する。溶解度は以下に定義されたように測定することができる。] [0067] 「溶解度」または「溶解度の度合い」は、与えられた物質、すなわち溶質の、流体、とりわけ溶媒へ容易に溶解する能力をいう。溶媒は極性溶媒、好ましくは水が主成分の溶媒または水性溶媒、すなわち水を含む溶媒、例えば、水、ミルク、アルコール、水を含有するアルコール飲料、及びこれらの混合物を含むが、これに限られない。本発明の文脈で使用される「溶質」は、本明細書において定義されたパウダー組成物または可溶性カカオパウダーのいずれか一方を示す。] [0068] 溶解度は、乳化剤を使用しないで、特定の温度、例えば20℃で、平衡状態における、一定量の溶媒に溶解させた溶質の最大量を単位として計測される。そして、本明細書で使用される「%の溶解度」(または%の溶解)の用語は、上に定義された、溶媒へ溶解した溶質の重量%を示す。例えば、50%の溶解度では、50重量%の溶質が溶解し、50重量%が沈み、あるいは沈殿物を形成することを示す。100%の溶解度は、上記溶媒に溶質が完全に溶け、溶液に沈殿物が残らないことを示す。] [0069] 溶解度は、従来技術において知られている方法を使用して計測される。 例えば、溶解度は、以下の手順で計測することができる。温度20℃、圧力1気圧で、10gの溶質(例えば、本明細書において定義された、パウダー組成物または可溶性カカオパウダー)を90gの選択した溶媒と少なくとも2時間、閉鎖系を使用することで蒸発を避けながら、攪拌しあるいは振盪する。そして、溶液は、細孔径が5〜12μmのホワットマンフィルターで濾過される。濾過液は、105℃のオーブン内で一夜間、乾燥され、乾燥した物質の量が決定される。溶解度は、実験に使用された溶質の総量と比較した、濾過後、残った乾燥物質の量に基づいて計算される。] [0070] 他の方法では、以下の遠心分離を含む。10gの溶質(例えば、本明細書において定義された、前記パウダー組成物または可溶性カカオパウダー)と90gの本明細書において定義された溶媒とを、10000rpmで5分間、遠心分離機にかける。遠心分離後、上部の「可溶性の」層(上清)、が、上記手順に従って、乾燥物質の計測に使用される。] [0071] 本発明にかかる、本明細書で使用される可溶性カカオパウダーは、以下の1以上の特徴を有する。] [0072] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、1〜24重量%、例えば5〜13重量%、または、例えば7〜13重量%のポリフェノール含有量である(重量%は、無脂肪乾燥重量に対する%で表現される)。] [0073] 一実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、無脂肪乾燥重量に対して5%未満のテオブロミン含有量である。例えば、前記可溶性カカオパウダーは、無脂肪乾燥重量に対して2.5〜5%のテオブロミン含有量であり、例えば、無脂肪乾燥重量に対して、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0%のテオブロミン含有量である。] [0074] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、無脂肪乾燥重量に対して1%未満のカフェイン含有量である。例えば、前記可溶性カカオパウダーは、無脂肪乾燥重量に対して、0.25〜0.75%のカフェイン含有量であり、例えば、無脂肪乾燥重量に対して、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、または0.75%のカフェイン含有量である。] [0075] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、10〜60重量%、例えば15〜50重量%、例えば15〜40重量%、及び、例えば、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、または45重量%の、グルコース、グルコースオリゴマー及び/またはデキストリン含有量である(重量%は無脂肪乾燥重量に対する%で表現される)。] [0076] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、25重量%未満、例えば24重量%未満、あるいは0〜20重量%、例えば0〜12重量%、例えば10、8、5、または3重量%未満の脂肪含有量である。] [0077] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、10〜40重量%、例えば12〜30重量%、あるいは、例えば、15、20、25、または28重量%のアミノ酸、ペプチド、及びタンパク質含有量である(重量%は無脂肪乾燥重量に対する%で表現される)。] [0078] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、1〜10重量%、好ましくは8重量%未満の灰分含有量である(重量%は無脂肪乾燥重量に対する%で表現される)。] [0079] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、3〜10重量%、例えば3.5〜5重量%のペントサン含有量である(重量%は無脂肪乾燥重量に対する%で表現される)。] [0080] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、0.1〜3重量%、例えば0.5〜2重量%のペクチン含有量である(重量%は無脂肪乾燥重量に対する%で表現される)。] [0081] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、1〜5重量%、例えば2〜4重量%の有機酸含有量である(重量%は無脂肪乾燥重量に対する%で表現される)。] [0082] 他の実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、1重量%未満のリン脂質含有量である(重量%は無脂肪乾燥重量に対する%で表現される)。] [0083] 望ましい実施態様において、前記可溶性カカオパウダーは、乾燥したあるいは凍結乾燥させた形状であり、例えば、顆粒、ペレット、またはパウダー状である。] [0084] 望ましい実施態様において、本明細書で使用された可溶性カカオパウダーは、乾燥したあるいは凍結乾燥させた形状であり、好ましくは、温度20℃における、例えば水等の水性溶媒に対する、少なくとも90%、好ましくは95〜100%の、可溶性を有する顆粒、ペレット、またはパウダー状であり、以下を有する: ・無脂肪乾燥重量に対して5%未満、例えば無脂肪乾燥重量に対して2.5〜5%のテオブロミン含有量、 ・無脂肪乾燥重量に対して1%未満のカフェイン含有量、 ・無脂肪乾燥重量に対して1〜24%、例えば無脂肪乾燥重量に対して7〜13%のポリフェノール含有量、 ・無脂肪乾燥重量に対して10〜60%、例えば15〜40重量%のグルコース、グルコースオリゴマー及び/またはデキストリン含有量。] [0085] 他の望ましい実施態様において、本カカオ由来原料に適用される可溶性カカオパウダーは、全体を参照することにより明確に本明細書に組み込まれる、国際公開第2008/059064(PCT/EP2007/062486)に開示されているのと同様の可溶性カカオ生産物である。] [0086] 前記可溶性カカオパウダーの水分含有量は、当業者によく知られた技術に従って調整することができる。この文脈において、注目すべきは、本カカオ由来原料に適用される本可溶性カカオパウダーは、従来技術において知られている脱脂カカオパウダーとは、例えば水またはミルクといった、適した溶媒に溶解させたときに沈殿物を形成しない点で、異なる点である。そして、本発明は、知られた脱脂カカオパウダーでは沈殿が生じるという従来技術の欠点がない、(少なくとも部分的に)脱脂された可溶性カカオ生産物を含むカカオ由来原料を提供する。] [0087] 本カカオ由来原料、シロップまたはパウダー組成物のいずれかに適用される可溶性カカオパウダーは、好ましくは、図1に概略的に示された方法により生産される。一実施態様において、その方法は以下のステップを含む。] 図1 [0088] (a)カカオパウダー(1)の水性懸濁液を調製する(1)ステップ。 (b)任意に1以上の分解酵素で前記懸濁液を処理(2)するステップ。 (c)ステップ(a)または(b)で得られた懸濁液をpH処理(3)するステップ。pH処理(3)は、少なくとも2時間、適したpH(例えばpHが少なくとも7、より好ましくはpHが少なくとも10、あるいはpH3未満で)、温度が少なくとも100℃、環境気圧よりも少なくとも1bar高い圧力で、前記懸濁液を処理することを含む。 (d)任意に、ステップ(c)で得られた懸濁液のpHをステップ(a)で得られた懸濁液のpHと調和するpH値にするステップ。 (e)ステップ(c)または(d)で得られた懸濁液を1以上の分解酵素で処理(4)をするステップ。 (f)ステップ(e)で得られた懸濁液(5)を不溶成分(8)と可溶部分(7)とに分離(6)するステップ。] [0089] 可溶性カカオ成分(10)は可溶部分(7)から得られる。この方法は、さらに、イオン交換等によって塩を除去する、可溶性カカオ成分(10)を含む可溶部分の脱塩(13)ステップを有していてもよい。] [0090] 望ましい実施態様において、本カカオ由来原料に適用される可溶性カカオパウダーの調製方法は、全体を参照することにより明確に本明細書に組み込まれる、国際公開2008/059064(PCT/EP2007/062486)に開示されたのと同様の、可溶性カカオパウダーの調製方法である。可溶性カカオパウダーの調製方法の出発原料として使用される、出発カカオパウダーを意味する、カカオパウダー(1)は、当業者によく知られた普通のカカオパウダーである。酵素処理(2)、(4)で使用される分解酵素はカカオに存在する不溶性分子を分解できるものである。これらの分解酵素は、カカオパウダーの抽出技術においてよく知られている。] [0091] この方法は、異なるクラスの酵素を用いた分離処理及び連続処理を包含する。とりわけ、本方法は、ステップ(a)で得られたカカオパウダーの前記水性懸濁液に対して行われた最初の酵素処理(2)を含む。酵素処理(2)に用いられた分解酵素は、アミラーゼ、α−アミラーゼ、その他のような、カカオに存在するデンプンを分解できるものである。これらの分解酵素は、カカオパウダーの抽出技術において知られている。本方法は、最初の酵素処理(2)及びpH処理がなされた、本方法のステップ(c)または(d)で得られた前記カカオパウダー懸濁液に対して行われる第2の酵素処理(4)をさらに含む。酵素処理(2)、(4)の温度、攪拌、濃度及び時間といった要因は、当業者の知識によって最適化することができる。懸濁液は、一般に、酵素処理(2)、(4)の間、連続的に攪拌される。これは、例えば、スターラー、ジェット、攪拌槽または他の従来技術において知られている手段を使用することで達成される。] [0092] [カカオ抽出物] カカオ由来原料に適用される抽出物は、精製されていない、あるいは精製された、及び/または濃縮された抽出物を含む。] [0093] 前記カカオ抽出物は、好ましくは溶媒由来抽出物である。本明細書で使用された「溶媒由来」の用語は、抽出手順において、水及び有機溶媒の混合物、例えば水混和性の有機溶媒、アルコール、エタノール、アセトン、2−ブタノール、or2−プロパノールを溶媒として用いることで得られたカカオ抽出物を示す。好ましくは、前記溶媒は、エタノール及び水、アセトン及び水、2−ブタノール及び水、または、2−プロパノール及び水である。] [0094] 望ましい実施態様において、前記カカオ抽出物は、ポリフェノール濃度が増大されており、好ましくは、ポリフェノール抽出物に基づく25重量%よりも多い含有量である。望ましい実施態様において、前記カカオ抽出物は、25〜75重量%、より好ましくは25〜65重量%のポリフェノール含有量であり、例えば25、30、35、40、45、50、55、60または65重量%よりも多いポリフェノール含有量である。] [0095] 一実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、25〜75%、より好ましくは25〜65重量%のポリフェノール含有量であり、あるいは例えば35〜65%または40〜55%のポリフェノール含有量である。これらはフォリン−チオカルト法により解析でき、エピカテキンとして示される。] [0096] 前記ポリフェノールは、抽出物の重量の5〜15%または5〜10重量%のポリフェノール単量体と、抽出物の10重量%よりも多い、あるいは例えば20重量%よりも多い、あるいは30重量%よりも多い、1以上のポリフェノールオリゴマーとを含む。] [0097] 他の実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、単量体を含み、前記単量体は、抽出物の重量の5〜15%のエピカテキン、及び抽出物の重量の0.5〜5%のカテキンを含む。他の実施態様において、カカオ抽出物に存在する単量体は、抽出物の重量の6〜10%のエピカテキン、及び抽出物の重量の1〜4%のカテキンを含む。] [0098] 「オリゴマー」の用語は本明細書では1以上のモノマーユニットを有する化合物を示すのに使用される。他の実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、オリゴマーを含み、前記オリゴマーは、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、八量体、九量体及び/または十量体を含む。] [0099] 他の実施態様において、前記オリゴマーは、さらに、10よりも多いモノマーユニットを持つオリゴマーを含み、十一量体、十二量体、十三量体、十四量体、十五量体、十六量体、十七量体、十八量体、十九量体、二十量体、等を含んでもよい。] [0100] 他の実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、以下を含む(抽出物中の重量%): 5〜15重量%、好ましくは6〜10重量%の二量体、 5〜15重量%、好ましくは6〜10重量%の三量体、 2.5〜10重量%、好ましくは4〜9重量%の四量体、 2.5〜10重量%、好ましくは4〜9重量%の五量体、 2.5〜10重量%、好ましくは4〜9重量%の六量体、 0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%の七量体、 0.5〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の八量体、 0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%の九量体、及び/または 0.1〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%の十量体。] [0101] 他の実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、抽出物の重量の3%よりも多い、好ましくは抽出物の重量の5%よりも多い、より好ましくは抽出物の重量の8%よりも多い、10よりも多いモノマーユニットを持つ1以上のオリゴマー抽出物を含み、十一量体、十二量体、十三量体、十四量体、十五量体、十六量体、十七量体、十八量体、十九量体、二十量体、…等を含んでもよいが、これに限られない。] [0102] 本明細書で使用されたカカオ抽出物は、灰分、1以上のアルカロイド、1以上の脂肪、1以上の糖及び/または糖アルコール、1以上のタンパク質、1以上の食物繊維及び水分、例えば水、及び、これらのいずれかの混合物といった添加物を含んでもよいが、これに限られない。] [0103] 一実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、5〜15%または8〜12重量%の1以上のアルカロイドを含む。好ましくは、前記アルカロイドは、キサンチン及び/またはテオブロミンを含むが、これに限られない。一実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、10重量%未満あるいは5重量%未満のキサンチンを含む。他の実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、10重量%未満、あるいは5重量%未満のテオブロミンを含む。] [0104] 他の実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、5〜15重量%または8〜12重量%の1以上の糖及び/または糖アルコールを含む。好ましくは、前記糖は、フルクトース及び/またはグルコースを含んでもよいが、これに限られない。前記糖アルコールはマンニトールを含んでもよいが、これに限られない。。] [0105] さらに他の実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、8〜25重量%あるいは15〜25重量%あるいは17〜21重量%の1以上のタンパク質を含む。「タンパク質」の用語はペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、アミド、ポリアミド、酵素、…等を含んでもよいが、これに限られない。] [0106] 他の実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、3〜10重量%または3〜8重量%の1以上の食物繊維を含む。好ましくは、前記食物繊維はペクチン、セルロース、ヘミセルロース及び/またはリグニンを含んでもよいが、これに限られない。] [0107] さらに他の実施態様において、本明細書で使用されたカカオ抽出物は、0.5〜5重量%、または1〜3重量%の1以上の脂肪を含む。好ましくは、前記脂肪はカカオ脂肪からなる。] [0108] 本カカオ抽出物はどのようなタイプの剤形でもよく、例えば、液体あるいは乾燥または凍結乾燥させた形状であってもよい。一例では、本カカオ抽出物はパウダー、非圧縮のパウダー、半圧縮のパウダー、顆粒、ペレット、タブレット、粒、小片、カプセル、等の形状であってもよい。当業者であれば、これらのタイプの剤形が何を意味するのか理解することは明らかである。] [0109] 望ましい実施態様において、本カカオ由来原料に適用されるカカオ抽出物は、参照することにより本明細書に組み込まれる、国際公開2007/082703に開示されているのと同様のカカオ抽出物である。] [0110] 上記のカカオ由来原料に適用されるカカオ抽出物は、例えば、参照することにより本明細書に組み込まれる、国際公開02/14251に開示されたのと同様の、従来技術において知られている方法により得られる。] [0111] 国際公開02/14251に示すのと同様の方法により得られたカカオ抽出物は、例えば国際公開2007/082703に記載されているように、CO2及び適したCO溶媒、例えばエタノールを用いて、さらに抽出することができる。] [0112] とりわけ、本カカオ由来原料に適用されるカカオ抽出物は、好ましくは無脱脂カカオ豆、好ましくは非発酵かつ無脱脂カカオ豆の抽出により得られる、あるいは得られ得る。] [0113] 一例において、本発明で使用されるカカオ抽出物は、前処理が施された、あるいは、パルプ除去により除去されるパルプ、及び、脱殻作業により除去される殻を有している、前処理が施されていない生豆を用いて生産される。] [0114] そして、きれいなカーネルは、例えば水、エタノール、アセトン、2−ブタノール、2−プロパノールのような溶媒の存在下で、全量が水と混合され、例えばカッティングミルによりグラインドされ、得られる。 好ましくは、溶媒の含有量は50容量%よりも大きい(豆に含まれる水を考慮する)。グラインドされたカーネル/溶媒の混合物は数時間から数日間、熱い溶媒または冷溶媒で浸出するために放置される。 もしこの浸出が熱い溶媒で行われる場合、週出されるべき化合物の化学酸化及び化学分解を制限するために、熱すぎる(すなわち、60℃よりも高い)温度は避けるべきである。そして、混合物は濾過され、使用された溶媒を用いて数回洗浄される。そして抽出物を得るために蒸留が実行される。この蒸留は、ポリフェノール化合物の分解を避けるために、好ましくは50〜60℃の温度で、濾過液に含まれる溶媒の混合物を蒸発させるために12〜20kPaの残留圧力で、実行される。] [0115] あるいは、本発明で使用されるカカオ抽出物は、上記の方法で、前処理として乾燥させた商業用のカカオ豆から開始して生産してもよい。得られた乾燥カーネルは、例えば30〜50%の温水を用いた脱殻後、溶媒内でのグラインディング段階の前に、再加湿段階にさらすことがある。このような再加湿により、カーネルの細胞壁に弾力性が復帰し、したがってグラインディングの間、溶媒の存在下で破裂しない。] [0116] [2.本発明にかかるカカオ由来原料の調製方法] 他の側面において、本発明は、本発明にかかるカカオ由来原料の調製方法に関する。] [0117] ある実施態様において、シロップ形状のカカオ由来原料の調製方法が提供される。このような方法は以下のステップを含む: (a)可溶性カカオパウダーを、本明細書で定義され、25重量%よりも多いポリフェノール含有量、好ましくは、25、30、35、40、45、50、55、60または65重量%よりも多いポリフェノール含有量(抽出物に対する)のカカオ抽出物と混合するステップ。 (b)任意に1以上の添加物を、ステップ(a)の混合物に混ぜるステップ。 (c)ステップ(a)または(b)の混合物を水に可溶化するステップ。 (d)ステップ(c)で得られた懸濁液のpHを5未満、好ましくは4未満、最も好ましくは3.5未満のpH値に調整するステップ。 (e)任意に、好ましくは、少なくとも100bar、好ましくは150〜200bar以上の圧力下で、かつ少なくとも70℃、より好ましくは85℃以上の温度で、前記混合物を均質化するステップ。 (f)任意に、ステップ(d)または(e)の混合物を、少なくとも80℃の温度で少なくとも20秒、低温殺菌するステップ。 (g)ステップ(d)、(e)、または(f)の混合物を少なくとも−20℃の温度で少なくとも1分冷却するステップ。 (h)任意に、1以上の添加物を、ステップ(g)の混合物に混合するステップ。 (i)任意に、混合物に炭酸ガスを入れるステップ。] [0118] カカオ由来原料に炭酸ガスを入れる方法は、従来技術において知られているどのような方法も使用することができ、例えば炭酸水(H2CO3)をカカオ由来原料に加える方法がある。] [0119] 他の実施態様において、パウダー組成物の形状であるカカオ由来原料の調製方法が提供される。このような方法は以下のステップを含む: (a)可溶性カカオパウダーを、25重量%よりも多い、好ましくは、25、30、35、40、45、50、55、60または65重量%よりも多いポリフェノール含有量(抽出物に対する)のカカオ抽出物と混合する。 (b)任意に、1以上の添加物をステップ(a)の混合物に混合する。 (c)前記混合物を乾燥させる。] [0120] 得られた生産物は、手順が従来技術において一般に知られている、凍結乾燥、ローラー乾燥、スプレー乾燥、あるいは真空乾燥により乾燥される。] [0121] 他の実施態様において、本発明のカカオ由来原料は、本出願に開示される原料を乾燥した状態で混合することで得られる。] [0122] 上記方法は、さらに、ステップ(a)において、前記可溶性カカオパウダー及び前記カカオ抽出物が、3:1〜1:3、好ましくは2:1〜1:2、より好ましくは1の重量比で混合されるという特徴がある。] [0123] [3.飲料(Beverages)] さらに他の実施態様において、本発明は、本発明にかかるカカオ由来原料を含む飲料に関する。「飲料」(”drink” 及び“beverage”)または「カカオ由来の飲料」の用語は、本明細書では互換的に使用される。 本発明にかかる飲料(beverage)は温かいまたは冷たい飲料(drink)を含む。望ましくかつ有利な実施態様において、飲料は、水が主成分の、またはミルクが主成分の飲料;炭酸飲料;還元飲料(reconstituted beverage)、等を含む群より選択され、好ましくは炭酸飲料であるが、これに限られない。] [0124] ある実施態様において、本明細書において定義されたカカオ由来原料、シロップまたはパウダー形状のいずれかは、水が主成分の、またはミルクが主成分の飲料を生産するために、水またはミルクに加えられる。好ましくは、発明にかかる飲料は、水が主成分の飲料である。] [0125] 特に望ましい実施態様において、本発明は、0.01〜30重量%のカカオ由来原料、及び、例えば0.5〜20重量%または5〜30重量%または10〜30重量%のカカオ由来原料、及び、70〜99.99重量%の液体、例えば80〜99.5重量%または70〜99.5重量%または70〜90重量%の液体、好ましくは水、より好ましくは炭酸水を含むカカオ由来の飲料を提供する。前記カカオ由来原料は、可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物を含み、前記カカオ抽出物は、25重量%よりも多い、好ましくは25、30、35、40、45、50、55、60または65重量%よりも多いポリフェノール含有量(抽出物に対する)である。好ましくは、前記カカオ由来原料は、上述のものである。本カカオ由来原料は、本明細書において定義された液体あるいは固体形状に形成され、適量の水と混合される。] [0126] 好ましくは、本発明は、本明細書において定義されたシロップと、炭酸水とを含む炭酸飲料である飲料を提供する。他の実施態様において、本発明は、本明細書において定義されたシロップと、適量の二酸化炭素(CO2)とを含む炭酸飲料である飲料を提供する。さらに他の実施態様において、本発明は、炭酸飲料であり、かつ適量の前記可溶性カカオパウダー、好ましくは少なくとも25重量%(抽出物に対する)の、ポリフェノール含有量が増大された適量の前記カカオ抽出物、及び適量の炭酸水または二酸化炭素(CO2)を含む飲料を提供する。] [0127] カカオ由来の飲料に炭酸ガスを入れる方法は、従来技術において知られているどのような方法も使用することができ、例えば炭酸水(H2CO3)をカカオ由来原料に加える方法がある。] [0128] ある実施態様において、本発明は、10〜99重量%、好ましくは10〜30重量%、最も好ましくは15重量%の、本明細書において定義されたカカオ由来原料、及び、1〜90重量%、好ましくは70〜90重量%、最も好ましくは85重量%の炭酸水を含む、カカオ由来の前濃縮物を提供する。好ましくは、前記飲料は、炭酸カカオ由来飲料である。一般に、最終的な炭酸飲料内の可溶性カカオパウダーの濃度は、0.01〜35重量%、または0.05〜10重量%、または0.1〜5重量%である。一般に、最終的な炭酸飲料内の、本明細書において定義されたカカオ抽出物の濃度は、0.01〜35重量%、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。] [0129] 他の実施態様によれば、ビタミン、香料及び/または着色料のような、1以上の添加物を含む飲料が提供される。] [0130] 他の望ましい実施態様において、前記添加物はカフェインであり、好ましくは前記飲料の0.001〜0.01重量%、より好ましくは0.001〜0.007重量%、例えば0.005〜0.007重量%の含有量である。] [0131] 望ましい実施態様において、前記添加物はビタミンであり、前記飲料の1重量%未満、例えば0.8、0.5、0.3、0.1重量%未満の含有量である。] [0132] 他の望ましい実施態様において、前記添加物は香料であり、前記飲料の2重量%未満、例えば1.5、1、0.75、0.5重量%未満の含有量である。] [0133] 他の望ましい実施態様において、前記添加物は着色料であり、前記飲料の2重量%未満、例えば1.5、1、0.75、0.5重量%未満の含有量である。] [0134] 望ましい実施態様において、ポリフェノール含有量が少なくとも50mg/100ml、好ましくは75mg/100ml〜1g/100ml、より好ましくは80〜120mg/100mlの飲料が提供される。好ましくは、カカオポリフェノール含有量が0.01重量%よりも多く、または少なくとも0.05重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%、より好ましくは0.08〜0.2重量%の飲料が提供される。] [0135] さらに他の望ましい実施態様によれば、pHが5未満、好ましくは4未満、最も好ましくは3.0〜3.5の飲料が提供される。 さらに他の望ましい実施態様において、ORAC値が少なくとも1000μmolTE/100ml、好ましくは少なくとも2000μmolTE/100ml、より好ましくは2500〜3500μmolTE/100mlの飲料が提供される。] [0136] いくつかの望ましいカカオ由来原料(シロップ/パウダー組成物)及び飲料は、低カロリーの生産物である。そのため、糖代替品及び甘味料は、特に一人分あたり約100カロリー、約70カロリー未満、約60カロリー未満、約50カロリー未満、約40カロリー未満、または約30カロリー未満、または実質的にゼロカロリーのカロリー量の生産物を生産するのに望ましい。] [0137] 保存料及び類似の機能の化合物及び安定剤、乳化剤または飲料安定剤もまた、カカオ由来原料及び本明細書において定義された飲料に使用できる。] [0138] 多くの他の範囲または特定の飲料が選択でき、使用できる。本発明にかかる飲料は、改善された味を有する。さらに、前記飲料に含まれるカカオ生産物は、沈殿しない。] [0139] 以上に定義されたカカオ由来飲料は、好ましくは、以下のステップを含む方法により得られ、または得られ得る。 (a)本明細書において定義されたカカオ由来原料を生産するステップ。 (b)任意に糖及び/またはCO2のような他の原料を追加しながら、水、好ましくは炭酸水を、無菌状態で前記カカオ由来原料に混合するステップ。 (c)任意に、ステップ(b)の混合物を適した容器に充填するステップ。] [0140] 以下の例は本発明を説明するものである。例1及び2は、本発明にかかる、特定のカカオ由来シロップ及びそれとともに生産される飲料を提供する。例3は、本発明にかかる、特定のカカオ由来パウダー組成物及びそれとともに生産される飲料を提供する。例4及び5は、本発明にかかる、シロップ、パウダー組成物、及び飲料に存在する成分の概説を提供する。例7は、味覚識者の実験に関する。例8は、本発明にかかる飲料の特性を説明する。例9は、本カカオ由来原料に使用される可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物の実施態様を説明するものである。] [0141] [実施例] [例1:シロップ及び飲料] 表1には本発明にかかる、可溶性カカオパウダー及び、ポリフェノール濃度が増大されたカカオ抽出物を含むシロップが示されている。このシロップのpHはリン酸を加えることにより3.3に調整されている。 「カカオコーラ」と名付けられた飲料は、このシロップを用いて、85重量%炭酸水と、15重量%の前記シロップとを混合することにより生産される。この飲料は以下の一連のステップにより生産される。] [0142] ・シロップの原料の乾燥混合物を水に可溶化しpHを3.3に調整するステップ。 ・ 125bar(12.5MPa)で均質化し、熱交換器を通す間、またはそのタンク内で数分間、85℃で低温殺菌し、直接20℃まで冷やし、容器またはボックスシステム内の袋内に無菌充填するステップ。 ・ 容器に無菌接続された炭酸水導入部より炭酸水を導入しカカオコーラを生産するステップ。] [0143] ] [0144] 得られた飲料(表1参照)は安定しており、よい味である。得られた飲料は高い抗酸化作用を持つ。可溶性カカオパウダーまたはカカオ抽出物を用いない飲料と比較して、本飲料では暗く、より透明な色が得られた。] [0145] 可溶性カカオパウダーのみまたはカカオ抽出物のみを用いた飲料は、より悪い味であることに注意すべきである。カカオ抽出物を用いずに飲料が生産される場合、飲料はカカオ味がせず、適したカカオ味の飲料を生産するために多量の香料を添加するべきである。一方、カカオ抽出物を用いたが可溶性カカオパウダーを用いない飲料では、非常に味が悪く飲料として適していない。この飲料にはカカオ風味もない。] [0146] カカオ抽出物及び可溶性カカオの混合物は、驚くほどよい味で、よいカカオ風味を持ち、飲料に適した飲料を提供する。その飲料は約100mg/100mlのポリフェノール濃度である。さらに、カカオ抽出物及び可溶性カカオを含む本飲料のORAC値は2260μmolTE/100mlである。この値は、上記の方法に従って生産されたが可溶性カカオパウダーまたはカカオ抽出物を含まない飲料のORAC値よりも高い。そのような飲料のORAC値はそれぞれ260μmolTE/100ml及び2000μmolTE/100mlである。] [0147] [例2:シロップ及び飲料] 表2には、本発明にかかる、可溶性カカオパウダー及びポリフェノール濃度が増大されたカカオ抽出物を含むシロップが示されている。飲料はこのシロップを用いて、85重量%炭酸水と、15重量%の前記シロップとを混合することにより生産される。飲料は例1で示された方法を用いて生産される。得られた飲料(表2参照)は安定しておりよい味である。] [0148] ] [0149] [例3:パウダー組成物及び飲料] 以下の例は、本発明にかかる、可溶性カカオパウダー及びポリフェノール濃度が増大されたカカオ抽出物を含むパウダー組成物を示す。パウダー組成物の成分を表3に示す。飲料はこのパウダーを用いて、89.45重量%の炭酸水と、10.55重量%の前記パウダー組成物とを混合することにより生産される。] [0150] ] [0151] [例4:甘味料入りのシロップ及び飲料 表4にシロップ及びそのシロップを用いて調製される飲料の成分を示す。0.8重量%のシロップが99.2重量%の炭酸水に加えられ、よい味の飲料となる。] [0152] ] [0153] [例5:シロップ及び飲料] 表5にシロップ及びそのシロップを用いて生産される飲料の成分を示す。15重量%のシロップが85重量%の炭酸水に加えられ、よい味の飲料となる。この例に適用されるパウダー組成物は、例3のパウダー組成物に相当する。] [0154] ] [0155] [例6:パウダー組成物及び飲料] 表6にパウダー組成物及びそのパウダー組成物を用いて生産される飲料の成分を示す。10.56重量%のパウダー組成物が89.44重量%の炭酸水に加えられ、よい味の飲料となる。] [0156] ] [0157] [例7: 飲料の味の評価] 3種類の飲料の味及び感覚刺激特性は訓練された味覚識者により評価された。 飲料Aは、本発明にかかる、可溶性カカオパウダー及びカカオポリフェノール抽出物を含む、本明細書において定義された15重量%のシロップと、85重量%の炭酸水とを混合することにより生産される。] [0158] 飲料Bは、85重量%の炭酸水と、本明細書において定義された可溶性カカオパウダーを含むが、本明細書において定義されたカカオポリフェノール抽出物を含まない15重量%のシロップとを混合することにより生産される。] [0159] 飲料Cは、85重量%の炭酸水と、本明細書において定義されたカカオポリフェノール抽出物を含むが、本明細書において定義された可溶性カカオパウダーを含まない、15重量%のシロップとを混合することにより生産される。] [0160] 飲料A、B及びCを調製するのに用いられたシロップの組成物を表7に示す。全ての原料(シロップ+炭酸水)は混合され、100℃で1分間加熱された。この後、混合物は10分間で冷却され、使用するまで少なくとも1週間、冷蔵庫(12℃)に保存された。] [0161] ] [0162] 一般に、味覚識者の実験を行う場合、焙煎香、甘み、苦味、酸味、アルカリ味、チョコレート、芳香、ワイン香、甘草香、土香、煙香、緑香、木香、屑香、キャラメル香、フルーツ香、花香、ビスケット香、焼いた香り、パン香、ポップコーン香、シリアル香、麦芽香、渋味、プラリネ香といった、異なる風味や香りにおって異なる点数が与えられる。また、飲料の強度、品質、充足度、発泡感覚、渋味や、飲料の風味及び香りといった、いくつかの品質項目にも点数が与えられる。] [0163] 本例においては、味覚識者は、上記の3飲料のサンプルの風味や香りの特徴についてコメント及び備考を提示してサンプルを評価することが求められた。平均点は1点(非常に悪い評価の飲料)から5点(非常によい評価の飲料)までの幅がある。] [0164] 上記飲料の味及び感覚刺激特性の評価を求められた味覚識者は、全員一致で、飲料A,B、及びCのそれぞれに、5点、2点、及び1点をつけた。これらの結果は、本発明にかかる飲料(飲料A)が、可溶性カカオパウダーを含まない飲料(飲料C)または、カカオ抽出物を含まない飲料(飲料B)よりも良い香りと風味を有することを明確に示す。] [0165] [例8: 飲料の評価] 以下の例では、異なる種類の飲料の物理特性及び味特性が比較された。飲料は、本発明にかかる、表8に定義されたシロップを15重量%と、85重量%の炭酸水を混合して生産される。] [0166] ] [0167] 「−−」は「非常に悪い」、「−」は「悪い」、「+」は「良い」、「++」は「非常に良い」を示す。] [0168] 上記飲料を調製したとき、飲料Fを調製するのに使用されたシロップは、飲料D及びEを調製するのに使用されたシロップと比較して、加えられた炭酸水によりよく、急速に溶解することが観察された。] [0169] また、飲料D及びEでは1週間後に沈殿が観察されたが、飲料Fでは保存1週間後でも沈殿が観察されなかった。飲料Fは飲料D及びEと比較してよりよい味と口当たりであった。] [0170] 加えて、飲料Fは、以下と比較して、より良い味、香り及び風味であった。 (I)可溶性カカオパウダーを含まない以外は飲料Fと同じ材料で生産される飲料。可溶性カカオパウダーの量は砂糖を添加して置き換えた。 (II)カカオ抽出物を含まない以外は飲料Fと同じ材料で生産される飲料。カカオ抽出物の量は砂糖を添加して置き換えた。] [0171] 思いがけなく、これらの比較飲料(I及びII)により多くの砂糖を添加したときでさえ、これらの飲料の味は飲料Fの味と比較して不満足なままであった。 3種の飲料は味覚識者により判定された。識者は、飲料Fの味が最もよく、この飲料が美しく、十分で豊かな味わいを有していることを示した。 これに対して、たとえ飲料Iの味が飲料Fの味に似ていたとしても、この飲料の味は、しかしながら、非常に薄く満足できるものではない。飲料IIの味は飲料Fの味には似ておらず、受け入れられるものではなかった。] [0172] 飲料を調製するための本明細書において定義された可溶性カカオパウダーとカカオ抽出物の混合物の使用は、これらの個々の成分を独立に使用した場合は予期されない有益な効果を提供する。混合物内のこれらの成分を使用することで、沈殿の問題が生じず保存期間のよい特別な良い味の飲料が得られた。] [0173] [例9: 本発明に係る使用に適した可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物の実施態様] 表9に本発明にかかるカカオ由来組成物で使用され得る可溶性カカオパウダーの組成物の実施態様を示す。この表において、脂肪の量は重量%で表現されている。他の成分の量は脱脂肪の乾燥重量に対する%、すなわち、無脂肪乾燥重量に基づく重量%で表現されている。この例の可溶性カカオパウダーは20℃の水に対して90%よりも大きい溶解度を有している。] [0174] ] [0175] 表10に本発明にかかるカカオ由来組成物で使用され得るカカオ抽出物の組成物の実施態様を示す。] [0176] ]
权利要求:
請求項1 可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物を含むカカオ由来原料であって、前記カカオ抽出物は、ポリフェノール含有量が抽出物の重量の25%よりも多く、前記可溶性カカオパウダーは、温度20℃における水性溶媒への溶解度が少なくとも70%であることを特徴とするカカオ由来原料。 請求項2 前記可溶性カカオパウダーは、温度20℃における水性溶媒への溶解度が少なくとも90%であることを特徴とする請求項1に記載のカカオ由来原料。 請求項3 前記原料における可溶性カカオパウダーとカカオ抽出物との重量比は2:1〜1:2であり、好ましくは1であることを特徴とする請求項1または2に記載のカカオ由来原料。 請求項4 糖、甘味料、カフェイン、ビタミン、香料及び着色料を含む群より選択される1以上の追加材料をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカカオ由来原料。 請求項5 前記カカオ抽出物は溶媒由来の抽出物であり、前記溶媒はエタノール及び水、アセトン及び水、2−ブタノール及び水、または2−プロパノール及び水であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のカカオ由来原料。 請求項6 前記カカオ抽出物は無脱脂カカオ豆、好ましくは非発酵の無脱脂カカオ豆から得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のカカオ由来原料。 請求項7 前記カカオ由来原料は液体形状であり、好ましくはシロップであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のカカオ由来原料。 請求項8 シロップ1グラムあたり50〜250μmolTEのORAC値であることを特徴とする請求項7に記載のカカオ由来原料。 請求項9 前記カカオ由来原料は乾燥したまたは凍結乾燥した形状であり、好ましくは、顆粒、ペレット、またはパウダー形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のカカオ由来原料。 請求項10 パウダー1グラムあたり10〜10000μmolTEのORAC値であることを特徴とする請求項9に記載のカカオ由来原料。 請求項11 飲料を調製するための請求項1〜10のいずれか一項に記載のカカオ由来原料の使用。 請求項12 前記飲料は適量の炭酸水及び/または炭酸ガスを含む炭酸飲料であることを特徴とする請求項11に記載の使用。 請求項13 0.01〜30重量%のカカオ由来原料、及び70〜99.99重量%の、好ましくは水、より好ましくは炭酸水である液体を含有し、前記カカオ由来原料は可溶性カカオパウダー及びカカオ抽出物を含み、前記可溶性カカオパウダーは、温度20℃における水性溶媒への溶解度が少なくとも70%であり、前記カカオ抽出物は、ポリフェノール抽出物に基づく25重量%よりも多く含むことを特徴とするカカオ由来飲料。 請求項14 前記カカオ由来原料が請求項1〜10に記載のものであることを特徴とする請求項13に記載のカカオ由来飲料。 請求項15 ORAC値が少なくとも1000μmolTE/100ml、好ましくは少なくとも2000μmolTE/100ml、最も好ましくは2500〜3500μmolTE/100mlであることを特徴とする請求項13または14に記載のカカオ由来飲料。 請求項16 pHが5未満、好ましくは4未満、最も好ましくは3.0〜3.5であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の飲料。 請求項17 ポリフェノール含有量が少なくとも0.05重量%であることを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載の飲料。 請求項18 適量の炭酸水及び/または炭酸ガスを含有することを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の飲料。 請求項19 以下のステップを含むことを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載のカカオ由来飲料の調製方法:(a)請求項1〜10のいずれか一項に記載のカカオ由来原料を調製するステップ、(b)無菌状態で、付加的に、糖及び/またはCO2のような他の原料を混ぜながら、水と、前記カカオ由来原料とを混ぜるステップ、(c)付加的に、ステップ(b)の混合物を適切な容器に満たすステップ。
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引用文献:
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